総合プロデューサー・音楽監督の松下耕によるコラム『その3』をご紹介させていただきます。ご覧ください。
私達は、続いて、コンクールの部門、つまりカテゴリーについて考えました。今までに私が関わった、ヨーロッパとアジアの国際コンクールの標準的な形を、日本の社会構造の中に組み入れるために、工夫を凝らしました。日本のコンクールは、大きく分けて『学校単位のコンクール』と『一般部門』に分けられると思います。そのスタンダードに敬意を払いつつ、TICCは、国際的に多く見られる部門区分を採用しました。
そのカテゴリーとは、以下の通りです。
A 児童合唱部門 (18歳以下)
B シニア部門(50歳以上、なおかつメンバーの平均が60歳以上)
C ユース部門(28歳以下)
D室内合唱部門(12人以上24人以下)
E 同声合唱部門
F 混声合唱部門
G 現代合唱部門
H フォルクロア部門
1つの合唱団は、3つのカテゴリーまで出場可能です。例えば、高校の合唱団が、ユース、混声、現代の各部門に出場することができるわけです。
このことは、言うまでもなく、高校生や中学生が、大人の団体と競い合うことができることを意味します。今までの日本の固定概念を超えた、楽しい結果が出てくるかもしれませんね。
また、Hフォルクロア部門を除く、各部門の1位、または最高得点を獲得した団体は、最終日に行われるグランプリコンクールに出場します。カテゴリー1位の団体には5万円、グランプリの団体には50万円の賞金が授与されます。
どれほどの合唱団が参加してくださるのか、現時点ではまったく未知数ですが、各カテゴリーの出場団体数を絞り込むこの形態は、より健全な審査結果を引き出すための有効な手段と考えています。つまり、一度に数多くの団体を審査するということは、審査員の負担を増し、疲労を誘発し、結果、疑問の残る審査結果になる恐れがあります。それを回避する一つの手段でもあるのです。
第1回のTICCのカテゴリーは、以上のような布陣となっています。是非、皆さんの得意な分野を選択して挑戦してみてください。
総合プロデューサー・音楽監督 松下 耕