総合プロデューサー・音楽監督の松下耕によるコラム『その4』をご紹介させていただきます。ご覧ください。
前回書いた、各カテゴリーの中でも、特にこのコンクールで特徴的なのがBの『シニア部門』の設置でしょう。
この部門は、前回書いたように、メンバーが50歳以上であり、なおかつ全メンバーの平均年齢が60歳以上の団体と規定されています。
私達が、なぜこのような部門を設置したかと言うと、シニア世代の人たちでもコンクールを楽しんでいただきたい、という願いからに他なりません。
コンクールというと、得てして若い団体が入賞し、シニア世代の入り込む余地がなくなるという図式になりがちです。結果、シニア世代はコンクールの挑戦を諦めざるを得なくなってしまいます。このコンクールのシニア部門は、人生経験を積んだ、深い味わいのシニアの合唱を、広く知っていただき、シニアの団体に対しては、このコンクールに出場することにより、スキルアップを図っていただこうとするために存在します。
このカテゴリーの勝者は、他のカテゴリーと同様に、グランプリコンクールに進みます。考えただけで、楽しく、エキサイティングではありませんか?
児童合唱の部門は、年齢の下限を設けておりません。つまり、TICCは、すべての人たちが参加でき、楽しめるコンクールとなっています。合唱は、身一つで誰にでも楽しめる芸術分野です。コンクールによって、合唱に垣根を作りたくない、という、私達スタッフの願いが、カテゴリー分けにも表れているのです。
高齢者の文化活動への参加の必要性については、ことさら語る必要もありません。日本だけでなく、各国でその意義が語られ、様々な形で実践されています。台北TICCにも、シニア部門が設置されました。
おじさま、おばさまも大いに輝く、そして、努力が結ばれる、そんな場になってほしい、と、TICC実行委員会は願っているのです。
このカテゴリーの存在は、初年度はあまり浸透しないかもしれません。しかし、少なくとも数年は続けようと思っています。少しずつでも、認知度が高くなってくれればと願いながら。
総合プロデューサー・音楽監督 松下 耕